議会発言集
議会発言集
令和 4年 決算審査特別委員会(健康福祉分科会 第2日)−09月29日-07号
令和3年 決算審査特別委員会(文教分科会 第1日)−09月22日-04号
令和2年 決算審査特別委員会(文教分科会 第2日)−09月25日-05号
令和1年 決算審査特別委員会(総務分科会 第1日)−09月19日-02号
令和1年 決算審査特別委員会(総務分科会 第2日)−09月25日-03号
平成30年 決算審査特別委員会(健康福祉分科会 第2日)−09月28日-
平成29年 決算審査特別委員会(総務分科会 第2日)−09月21日-
平成29年 決算審査特別委員会(総務分科会 第1日)−09月19日-
平成27年 第1回定例会ー2月26日ー 自民党代表質問(前編)
平成15年 決算審査特別委員会(一般会計・特別会計)−12月12日
平成12年 決算審査特別委員会(一般会計・特別会計)−12月11日-
平成25年 第4回定例会 −12月10日ー
42番( 石田康博) おはようございます。私は、自由民主党川崎市議団を代表して、平成25年第4回定例会に提出されました議案並びに市長の市政への考え方及び市政一般について質問をしてまいります。
質問に入る前に、10月16日の台風26号の豪雨は日本列島に甚大な被害をもたらしました。特に激甚災害指定を受けた東京都伊豆大島においては多くの方々が被災されました。心よりお見舞いを申し上げますとともに、早期の復旧をお祈り申し上げます。また、この災害を受けて本市消防局の緊急消防援助隊として派遣部隊26隊、延べ89名が派遣され、人命救助活動に当たっています。今後とも、台風26号の教訓を踏まえ、危機管理などの防災力の向上に努め、対応体制の強化を推進してまいります。
さて、我が党は、10月27日に投票日の川崎市長選挙において、新人の候補を擁立し、阿部市政を継承し、持続可能な市民都市かわさきの実現に向けて政策を訴えてまいりました。我々は、引き続きその思いを絶やすことなく、川崎の成長と発展のために積極的な政策提言を行ってまいります。議会においては、峻厳な姿勢で福田市長の市政運営を検証していくことを宣言し、以下、質問をしてまいります。
まず初めに、市長選挙の投票率について伺います。市長は、市民市長にチェンジを標榜し、当選されたわけであります。市長の平成25年9月23日の寄稿には次のように書かれています。ここ20年の間、36%という低投票率で市長が選ばれてきました、これは政治の責任なのかもしれませんが、これだけ低い投票率で市長が選ばれるということは非常に大きな問題です、これでは選択の整合性さえ問われてしまいますと明言しています。今回の市長選挙の投票率は、過去2番目に低い32.82%でありました。市長の言うように、選択の整合性が問われた今回の市長選挙だっただけに、その市長のもとで市政のかじ取りが行われることは、選択の整合性はさることながら、言葉の整合性を疑います。今回の市長選挙において選択の整合性があったとお感じなのか、見解を伺います。結果、有効投票数において市長の得票率は38.77%、一方、我が党が推薦した候補は38%でありました。その差はわずか1%未満の0.77%であります。また、総有権者数における市長の得票率はわずか12.53%でありました。全体の1割強の支持で市長に就任されたわけであります。御自分の標榜した真の市民市長としてなり得たのか、所感を伺います。
次に、市長の基本方針について伺います。市長は、29日の本会議の中で市政への考え方を示しました。今後、新総合計画の策定に着手するとのことですが、市長の優先する施策を見る限り、地方交付税制度における基準財政需要額に反映されない給付事業が多く含まれており、結果として投資的経費を初め他の事業費を縮減しないと政策実現が不可能となります。一方で、市長は、市政への考え方で、力強い産業都市と安心のふるさとを同時に実行するとしています。しかし、財政的な観点からは、調和するどころか矛盾している施策と指摘せざるを得ません。過去、本市では、基準財政需要額に反映されない右肩上がりの経済成長を前提とした施策を推進し続けた結果、多額の財源不足を生じ、基金の活用を通じた財源手当てを行ってきた経緯があります。そのため、今日まで中長期的な財政フレームを策定し、中長期的な展望に立った財政運営を行ってきた経緯があります。市長は、このような点を理解した上で市政運営を担うつもりなのか、また、公約に掲げた施策の推進に際し、どのように財政運営を行っていくのか、その考えを伺います。小児医療費助成事業など給付の増によるサービスの拡充がうたわれています。その費用には財政への負担が伴います。継続事業については、規模の縮小や廃止など見直しを行わないと公約は実現できません。多額の財源をどこに求めていくのか伺います。また、行財政改革の取り組みの方向性と計画を明らかにすると言いますが、どのような計画とするのか伺います。首都圏全体の都市機能分担について、首都圏の各都県や政令市が同じような機能を目指していたのでは、共倒れになってしまうと危機感を示しました。それでは、本市の持つべき機能と役割とは何か伺います。また、力強い産業都市、世界に競うまちとして日本の成長モデルを発信すると述べていますが、成長モデルとは何か伺います。
次に、天下りの考え方について伺います。市長は、さきの選挙で天下り反対、官僚政治反対と訴え続けて当選をいたしました。天下りとはどのように捉えているのか伺います。官僚政治反対、役人市長をまだ続けるのですかとも訴えてきました。我々は、自治体の成長、発展には国とのパイプが不可欠と考えています。そこで、何ゆえ役人出身の市長を否定されるのか、市長の考えを伺います。また、天下り禁止を徹底することは職員の再就職を禁止することと受けとめますが、その行き先の対象範囲をどのように考えているのか伺います。また、時期については今年度から実施するのか伺います。
次に、中学校給食の導入について伺います。市長は、さきの市長選挙において、中学校給食をスタートし、民間事業者による給食センター方式で行うと約束をしています。早速中学校完全給食の早期実現に向けた推進体制も整え、推進会議も設置したところであります。まず、市長に伺います。阿部前市長の中学校給食の考え方をどう評価しているのか伺います。また、何ゆえ中学校給食の導入が必要だと考えたのか伺います。川崎市議会では、平成23年3月16日に、中学校完全給食の早期実現を求める決議を行っています。目指す方向性は同じであります。しかし、給食センター方式となると巨額の財政投資が必要となるため丁寧な議論をする必要があると考えております。そこで、市長の公約にある給食センター方式の具体的な内容と導入に向けたスケジュールについて伺います。また、必要な予算額をお示しください。
続けて、教育委員会委員長に伺います。このたび、川崎市立中学校給食の基本方針が川崎市教育委員会より発表されました。基本方針の策定に当たりどのような過程を経て協議し、実施を決定したのか伺います。今までは、基本方針を決定する際に関係各方面より意見聴取を実施した上で最終的な意思決定を行ってきました。示された基本方針では、何ゆえ現場の市立中学校長会の代表や学校給食会、保護者代表の方々及び児童生徒などの意見聴取を行わず決定に至ったのか、教育委員会委員長に見解を伺います。また、中学校給食推進会議の委員には教育委員会委員長が含まれていませんが、何ゆえ入っていないのか伺います。教育委員会が属する行政委員会は、独自の執行権限を持ち、その担任する事務についてみずから意思決定し、管理施行することができるとされております。確かに自治法上、行政委員会は長の所轄のもとにあり、全て一体として行政機能を発揮するようにしなければならないとされておりますが、所轄という用語はそれぞれの法律の規定を必要とするとされており、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の第3章教育委員会及び地方公共団体の長の職務権限、第23条第11号では、学校給食に関することは教育委員会の職務権限とされております。以上の法律からもわかるとおり、川崎市立中学校給食の基本方針を教育委員会が決定し、今後の給食のあり方を決める組織においては、教育委員会委員長が組織の委員長を務めるべきと考えます。見解を伺います。基本方針において早期の実現を図るとされておりますが、具体的な工程と方式についてはどのように考えているのか、教育委員会委員長に見解を伺います。
次に、全国学力テストの公表について市長に伺います。公約では、全国学力テストの公表を公言されておりますが、いつまでにどのような方法で公表するおつもりなのか伺います。
次に、国際戦略総合特区について伺います。10月18日、日本経済再生本部は、国家戦略特区における規制改革事項等の検討方針を示し、11月5日には国家戦略特別区域法案の閣議決定を行いました。本市では、検討方針に先駆けて健康・未病産業と最先端医療関連産業の創出による経済成長プラン及び水素エネルギーフロンティア国家戦略特区による新たな成長戦略への提案の2つを提出しています。今後、国での協議を経て特区指定地の決定が示されます。こうした中で、市長は、本市が推進する国際戦略総合特区に対して事業継続を図るのか、それとも事業の見直しなど新たな選択をしていくのか、見解を伺います。また、検討方針では、医療の項目で、1、国際医療拠点における外国医師の診察、外国看護師の業務解禁、2、病床規制の特例による病床の新設・増床の容認、3、保険外併用療養の拡充、4、医学部の新設に関する検討などが示されましたが、県医療審議会では、検討方針とは異なる意見が続出しています。市長は、医療項目を容認した上で国の採択を求める考えなのか、見解を伺います。あわせて、県は、追加補正予算で約8,000平米の用地を購入し、国家戦略特区に符合した事業を展開するようです。市長は、県、横浜市と3者で提案した経緯を尊重して、今後とも全面的に県が選択する事業に協力していく考えなのか、見解を伺います。あわせて、国際戦略総合特区と密接な関係となる羽田連絡道路の着工に向けて市長はどのような考えを持たれているのか、見解を伺います。市長は、選挙公約の中で、羽田に隣接する立地を生かし、経済成長が進む東南アジア各国と我が国をつなぐ結節点の役割を担う環境整備を図るとうたわれています。特区とどのような整合性を図られるのか、具体的な政策内容を伺います。また、ホテルやコンベンション誘致など、おくれている川崎を大胆に動かすとされています。どの場所に誘致を図ろうと考えているのか伺います。また、大田区とどのような協議を図る予定なのか、見解を伺います。また、公約の実現に向けたタイムスケジュールをいつ公表されるのか伺います。
次に、区への分権について伺います。市長は、公約の中で、身近なことは区で決める、権限と予算を区に移譲と掲げております。そこで、現行法制度の中でどのような事業の権限移譲を考えているのか具体的にお示しください。また、地域課題対応事業費として予算化されている5,500万円について、既にその支出先が硬直化し、非常に弾力性のないものとなっています。今後の対応について伺います。こうした区への権限移譲に向けた工程表について、いつまでに示すのか伺います。あわせて、その予算及び財源についても伺います。
次に、川崎まるごとWiFi化計画について市長に伺います。市長の選挙公約では、市内1万カ所にアクセスポイントを整備し、ローミング料などで通信業者から収益を上げるモデルをつくると約束をしています。そこで、このサービスの対象は、市民、日本人観光客、外国人観光客などが想定されますが、誰に提供するのか伺います。範囲は誰にでも無条件に提供するのか、申込者のみなのか伺います。また、インターネットアクセス、観光情報、防災情報、市民への行政情報など、何を提供するのか伺います。あわせて、提供により得られる効果を伺います。また、ネットワーク構築にかかる予算について伺います。Wi-Fi基地局の準備であるアクセスポイントは何カ所必要で、設置場所と電源はどのように確保するのか伺います。また、その装置の所有者、装置費用や設置工事の予算についても伺います。基地局アクセス回線の準備費は、市の負担として設置するのか、NTTからの有償提供なのか、ケーブルテレビ会社からの有償提供なのか伺います。回線終端装置の設置場所と電源の確保、回線設置工事の予算を伺います。ローミング料などで通信業者から収益を上げる新しいモデルをつくるとしておりますが、誰から収入を得て、どれだけの収入を見込んでいるのか伺います。
次に、平成26年度指定都市「大都市財政の実態に即応する財源の拡充についての要望」と県の予算編成に対する要望について伺います。まず、国、県に対する要望書の内容について、市長との考え方が違う点も見受けられます。今後、市長の公約実現に向けた考えとその要望書の内容について、率直な感想を伺います。続いて、国に対する要望についてです。国・地方間の税源配分の是正については、現状の税配分の状況として、国6対地方4となっています。しかし、その配分については、地方8対国2と大きな乖離が生じています。そこで、国・地方間の税源配分の是正はもちろん、市税財源の拡充や事務配分に応じた大都市特例税制の創設、国庫補助負担金の廃止、全額補助など、国に求めていくことが本市の安定した財源確保には不可欠と考えます。市長として今後どのように対応していくのか伺います。
このほど、県費負担教職員の給与負担等の道府県から指定都市への移譲について合意されました。その財源内容は、国が地方財政措置を検討し、適切に講じることを前提に道府県から指定都市に個人住民税所得割2%の税源移譲が行われることになりました。しかしながら、県費負担教職員分給与等の所要額について、本市では約396億円にもかかわらず、事務移譲に伴う税源移譲については約367億円となっており、約29億円余の財源不足が生じています。こうしたことは、市長が公約に掲げた習熟度別クラスの導入や市民の間からも要望の多い少人数学級の実現に向けて大きな障害ともなりかねませんが、こうした財源問題について、市長の考えを伺います。また、仄聞したところによりますと、横浜市においてはその財源不足は約190億円にも上ると推計されています。こうした市の財源不足について、県に対して何らかの財源交付を要望する考えがあるのか伺います。また、この財源については、国が地方財政措置を検討し、適切に講じることを前提としております。その財源が臨時財政対策債など本市にとって後年度負担を伴うものであってはならないと考えます。また、現状、臨時財政対策債の配分状況として全国総額の割合は26%であり、74%が地方交付税で賄っています。しかしながら、指定都市でのその割合は臨時財政対策債が49.4%であり、地方交付税の割合は50.6%となっています。本来は、地方交付税の法定税率引き上げによって対応すべきであり、臨時財政対策債は廃止すべきと考えます。今後、市長はどのように考えて国に対応していくのか伺います。
また、県に対する要望としては、都市計画と農地等の土地利用に関する事務権限や、福祉、医療等の権限移譲を要望しています。本市のような都市農業が抱える問題点をどのように認識しているのか、市長に伺います。
また、介護サービス関係や指定障害福祉サービス等の業務管理、市長の公約にもかかわる点が多々、多々あります。今後どのように県に対し要望していくのか、市長の考えを伺います。幼保連携型認定こども園以外のこども園の認定など、県から市へ権限移譲が合意されました。その内容について伺います。
次に、消費税増税による想定される影響について伺います。国は、消費税を現行の5%から8%に引き上げることを決定いたしました。本市財政にとって消費増税は地方消費税交付金が引き上げられますので収入増となりますが、想定される増収見込みについて伺います。自治体は、納税者としての側面を持っています。例えば市立病院事業会計を例に挙げれば、医療機関は社会保険診療報酬が非課税であるため患者の方から消費税を受け取っていませんが、一方では、医薬品や診療材料の仕入れや医療機器の購入などに対して消費税を払っているため、多額の控除対象外消費税、いわゆる損税を払っていることになります。こうしたことは、保育、小中学校等でも同様であり、消費税率の引き上げ後、本市はどの程度の控除対象外消費税を払うことになると想定しているのか伺います。各証明書発行手数料のうち課税対象となっていないものについて、消費税率の引き上げ後にかかるコストによって見直すことがあるのかも伺います。
次に、入札制度について伺います。我が党を初め各会派が常に問題にしてきた入札制度についてですが、市長の公約では、市内需の拡大で地元企業を大事にするとうたい、税金を納め、雇用を生み出す市内事業者を大切にするとしています。公約によって入札制度がどのように変わるのか伺います。市内業者優先発注につながる方策として、主観評価項目制度のさらなる活用である災害協定を締結している事業者へのインセンティブや、最低制限価格の神奈川県レベルへの引き上げ等について求めてきました。改めて見解を伺います。建築、土木、測量、造園、設計等、技術力を持つ事業者の人材不足は深刻であります。コンクリートから人へとの失策から、意味もなく公共事業がバッシングされ、疲弊しつつあったところに東日本大震災が発災し、人材不足、資材不足、重機等の設備不足は深刻の度を深めています。被災地のみならず、東京オリンピックにより建設需要が伸びれば請負事業者不足は深刻化し、公共工事の入札不調が相次ぐことは容易に想像できます。また、このままでは災害発災時に重機を持って働いてくれる地元事業者も消えてしまいます。真っ当に働いて真っ当な対価を得、きちんと納税していただく仕組みを今こそ再構築すべきであります。市長の見解と公約実現のための具体的な施策について伺います。
次に、朝鮮学校補助金について伺います。この補助金については、我が会派は疑義を訴えてきました。本市は、支出するに当たっては必ず朝鮮学校に在籍する児童等の健全育成を図ること等を目的としているということで正当性を主張しますが、この健全育成という言葉を大上段に振りかざして萎縮させているように感じてなりません。広い意味での人道主義に根差した民族教育はよいにしても、偏向甚だしい歴史教育をしていても健全育成と言えるのでしょうか、見解を伺います。また、現地を視察してから判断するとの回答でありましたが、本来は、学校側からの申請に基づいて、しかも日時は任意で抜き打ち的に視察すべきと考えます。見解を伺います。
市長は、いまだにこの補助金について明言を避けています。改めて市長の真意を伺います。
次に、市長の目玉公約の一つとなる待機児童の解消について伺います。市長は、市政への考え方の表明早々に、平成27年4月待機児童ゼロの実現に向けてと副題の添えられた待機児童ゼロ対策推進本部を立ち上げられました。その迅速な対応は評価をいたすものでありますが、達成に向けた今後の具体的な計画を伺います。また、本市に先駆けて待機児童ゼロを達成した他都市においては、待機児童の定義変更により目標を達成する事例も多く見受けられ、あくまでも統計数値なだけに、瞬間的なゼロを達成したことが殊さらに大きく取り上げられることも少なくありません。そこで、待機児童の定義見直しと将来的な目標について、市長の見解を伺います。また、本市はこれまでも待機児童の解消に向けて多額の費用を投じてまいりましたが、いまだ待機児童が生じている状況について、市長の率直な感想を伺います。このたびの市政への考え方によれば、約60年前の法律で区分されている認可園といわゆる認可外の保育施設の違いについて、実態に即した評価と補助が極めてバランスを欠いていると言わざるを得ないと指摘をされています。どの程度の格差是正を目指すのか、その格差是正に向けて認可外保育施設への助成拡充と保護者負担軽減についての考え方を伺います。また、保護者負担の軽減が図られることにより、潜在的な需要が喚起されることがその目標達成を難しくしている一因とも言われています。それと同時に、自助を最善とする我が国の伝統的な家族観が損なわれ、育児放棄を助長しかねない危険性も秘めていることからも、まさに市長の政治的力量が問われている課題の一つだと考えます。我が子のためにと仕事よりも家庭での子育てを選択する親や、我が国の伝統的な家族観に対しての市長の見解を伺います。
3歳児以降は幼稚園という選択肢も生まれることから、現状の待機児童の内訳はゼロ歳児から2歳児までが9割を占めている一方で、3歳以上5歳未満には定員割れが生じている保育園もあります。ゼロ歳から2歳児に特化した受け皿整備と3歳児以降においては幼児教育の拡充を含む総合的な対策が求められますが、市長の見解を伺います。また、市長が市政への考え方で述べられたように、我が国には少子高齢化の波が押し寄せています。また、それが杞憂に終わればいいのですが、今後において本市の人口が少子化に転じた際にその財政的な負担が重くのしかかることも懸念されています。かつての箱物行政の二の舞にならないよう、財政的な見地からも来るべき将来に責任を持つべきと考えますが、市長の見解を伺います。
次に、小児医療費助成の拡充等について伺います。本市は、これまでも段階的に所得制限の緩和や通院助成対象年齢の拡大を図ってきました。その大きな理由の一つに財源の確保という課題がありました。不断の決意をもって臨んだ行財政改革の成果を充当してきたわけですが、このたびの市長の公約によれば、その対象年齢を小学校6年生まで拡大を図るとしています。そこで伺います。まず初めに、その具体的な内容と想定される費用と財源、達成の目標年次を伺います。あわせて、所得制限の考え方についても伺います。
また、近年は予防医学の観点から妊産婦や乳幼児の歯科検診事業が注目され、他都市においては独自の補助制度を創設する事例も見受けられます。我が党としても、以前よりその重要性を指摘してきましたが、本市における実現性と低年齢児における予防医療に対しての市長の見解を伺います。
次に、わくわくプラザ事業について伺います。わくわくプラザは、放課後や土曜日、夏休みなどに小学校施設を活用して児童の安全な居場所及び遊びの場を確保してきました。異年齢の交流と仲間づくりを支援する事業として、平成15年4月1日より市立小学校113校内にわくわくプラザ室を設置し、小学校1年生から6年生までの全ての児童を対象として実施しています。そこで、10年経過しさまざまな課題等の検証等が必要ですが、見解を伺います。
また、民間放課後児童クラブなど、民設民営の学童保育から支援を求める声も上がっているようですが、支援をすることに対して市長はどのように考えているのか伺います。あわせて、わくわくプラザ事業との整合性についてはどのように考えているのかも伺います。
次に、地域の寺子屋について、市長に伺います。公約では、各学校において地域の寺子屋を開設すると約束をしています。そこで、地域の寺子屋とはどのような仕組みで、対象とする学校の範囲をどうするのか伺います。また、スケジュールと予算について伺います。シニア世代の経験をかしていただくとしておりますが、どのような基準で選任をされるのか伺います。
次に、がん検診の受診率を政令指定都市トップレベルに引き上げるとの公約について伺います。今年度策定の第2期かわさき健康づくり21によると、本市のがん検診率は、平成23年度ベースで、肺がん19.2%、大腸がん20.1%、胃がん6.2%、子宮がん22.6%、乳がん19.7%であります。本市策定の目標値は、10年後を目途に、胃がんを15%、前述のそれ以外のがんを30%に引き上げるとあります。公約実現に当たり、どのように目標設定をされるのか、スケジュール及び予算と見解を市長に伺います。
次に、障害者雇用で日本一を目指すとの公約について伺います。公約では、市長が先頭に立ち、障害者の雇用に最も積極的な都市を目指す、就学後のサポートや就労支援のため全力を尽くす、一時預かりなど障害児者の家族を支える体制を充実させるとあります。また、市政への考え方では、障害者の暮らしを支える居住環境の整備や専門的機関による相談・生活支援の拡充などを進めるとも記載されております。具体的な内容とスケジュール及び財源について、市長に伺います。
次に、特別養護老人ホームについて伺います。本市も高齢者人口はふえ続ける中、要介護認定者や65歳以上の単身高齢者も増加傾向であります。そこで、現在、平成24年度から平成26年度までの第5期川崎市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画において、川崎らしい都市型の地域居住の実現を基本方針に掲げ、2つの基本目標、つまり、1、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らせるまちづくり、2として、介護が必要となっても「かわさき」で暮らし続けられる支え合いのまちづくりを掲げて計画を推進していますが、社会福祉法人の立ち上げや施設の整備状況について、その進捗状況を伺います。
また、あわせて市長にお尋ねいたします。特別養護老人ホームへは、なるべく入居したい方として4,218人もの方々が入居を待っている状況です。平成27年度以降の第6期計画ではどういう方針で整備を進めていくのか伺います。また、平成21年度から平成23年度の第4期計画では、基準月額4,033円だった介護保険料が平成24年度から平成26年度までの第5期計画では5,014円と県下で一番高い介護保険料となっています。その理由について伺います。
次に、有償ボランティア制度について、市長に伺います。全国初の自治体有償ボランティア制度を構築し、シニア世代を定年なしで生涯現役というスローガンを掲げています。どのような制度なのか伺います。平成13年に総務省統計局が行った社会生活基本調査では、ボランティアというのは、報酬を目的とせず、自分の労力、技術、時間を提供して、地域社会や個人、団体の福祉増進のために行う活動とされています。有償ボランティアとは、対価、報酬を目的とする活動と理解していいのか伺います。市がボランティア活動に対価、報酬を支払うということは、臨時職員の雇用とするのか伺います。
次に、川崎縦貫鉄道計画について伺います。4年前の市長選挙の際、最大の争点は川崎地下鉄建設の是非を問うものでありました。市長は候補者として、選挙期間中、凍結もしくは反対の意見を明確にしておりました。しかし、今回の選挙戦においてはこの問題については何も触れていませんでしたが、市長自身どのような認識を持ってきたのか、率直な意見を伺います。特に市長は宮前区出身であります。宮前区民は10年以上にわたって総ぐるみで計画推進のための運動を展開してきたことは、十二分に御承知かと存じます。当計画を期待する宮前区民の主な理由は交通不便地域の解消であり、これを改善することが必要不可欠と判断し、この計画実現のために取り組んできた経緯があります。また、指定都市の中でおくれている公共交通網の整備は緊急を要する重大な課題でありました。当計画について、現在は新たな建設コストの縮減に向けた検討等を引き続き行っていくことになっており、相当に長期化する見通しであります。区民がいまだ熱望するこの計画に係る市長のスタンスを伺います。
次に、川崎縦貫道路?期計画について、東京外かく環状道路東名以南との一本化について伺います。さきに示された市長の市政への考え方でも、川崎縦貫道路と東京外かく環状道路の一本化などを進め、交通ネットワークの充実を進めていくとのことであります。?期計画と東京外かく環状道路東名以南との調整をどのように図っていくのか、見解を市長に伺います。あわせて、高速横浜環状北西線事業では、合併施工方式による横浜市負担額は620億円で総事業費の30%、国の新直轄方式でも25%負担となるわけですので、現実問題として第三京浜以南から首都高大師インターまでを川崎縦貫道路?期計画とするならば、その整備手法と事業費負担、財源について伺います。
次に、コミュニティバスの導入について伺います。本市においては、地域交通の手引きに基づき、持続可能な路線の実現に向けて取り組んできたところであります。交通不便地域の解消と移動の促進を目指したコミュニティ交通の取り組みは、これまでに10の地域で実施をしております。一定の成果が出たのは3カ所で、実験等を実施した地区が3カ所、検討の過程にあるのが4カ所となっています。今後、市長の任期4年間の中で、例えば宮前区の区役所と有馬方面を結ぶ路線や白幡台地区など、未実施の7カ所を対象にどこまで導入を図ろうとしているのか伺います。コミュニティ交通の考え方にある本格運行の条件としては、受益者負担を原則とし、運行経費の補助は行わないとしています。コミュニティバスの導入に理解のある市長は、その基準をどこに求めるのか伺います。また、採算のとれる見込みのない交通不便地域での導入をどのように考えているのかも伺います。
次に、都市整備における交通問題対策について伺います。市長は、市政への考え方並びに選挙に際し頒布し続けた選挙運動用ビラにおいても、市民生活の足の確保について同様の主張を繰り広げています。幹線道路の脆弱さに対して早急な交差点改良を掲げています。どのような計画なのか伺います。また、バス路線のあり方ですが、これは行革や市民サービス向上に大きく影響します。市長は、市バスのあり方についてどのような見解と将来像をお持ちなのか伺います。
次に、川崎市立川崎高等学校附属中学校について伺います。平成26年4月開校予定の附属中学校の新校舎の使用開始がおくれています。新校舎使用までのスケジュールについて伺います。また、開始までの体育授業及び運動部活動はどのように対応するのか伺います。附属中学校では、次代を切り開く生徒にとって必要な学ぶ力、探求する力、コミュニケーション力、実行力、体力を育成するとのことですが、附属中学校の特色、目標について伺います。あわせて、目指す学校像、育てたい生徒像についても伺います。
選考基準について伺います。適性検査?では、文章や図や表・データの内容を的確に捉え、情報を読み解き、分析し表現する力を見るとしています。また、適性検査?では、自然科学的な問題や数理的な問題を分析し考察する力や、解決に向けて思考・判断し、的確に表現する力を見るとなっており、数学力に重きが置かれているようにも感じますが、見解を伺います。また、国語、社会、算数、理科の科目別の検査としなかった理由について伺います。面接では、質問に対する答えの内容や、6年間学ぼうとする意欲等を総合的に見るとのことですが、評価方法について伺います。調査書では、小学校6年生の前期終了時の全教科の評定を活用するとなっています。5年生時の評定も必要であると考えますが、伺います。また、適性検査、面接、調査書をそれぞれ7対2対1の割合で換算した得点の合計値をもとに上位の者から合格者を決定するとなっています。定員120名の男女の生徒割合についての考え方を伺います。
また、市長の公約の中には、習熟度別クラスを導入する考えが示されています。附属中学校における導入の考え方と対応について伺います。あわせて、国公立大学への進学者数の目標はあるのか伺います。公立中学校は、小学校での受験教育を排し、受け皿として機能させる使命があると考えます。競争意識が過熱する心配はないのか伺います。また、かわさき教育プラン並びに川崎市教育振興計画が附属中学校ではどのように反映されているのか伺います。
次に、学校施設等における災害対策について伺います。平成23年3月の震災以後、学校施設や公共施設等へのさまざまな防災対策、停電対策に従来以上に対応してきました。災害発災後、ライフラインの復旧に数日かかり、特に都市ガスにおいては復旧に20日以上要する場合もあります。そのような中で、LPガスは軒下在庫で容器に残量があれば、安全を確認し、そのまま使用できるメリットがあります。LPガスを利用した発電システムを含む災害対応型バルクシステムを導入すべきと考えますが、見解を伺います。
次に、ミューザ川崎シンフォニーホールを核とした文化行政について伺います。市長当選後の初めての公務は、音楽のまち、映像のまち関係のイベントが続いたわけですが、それについて伺います。まず、今後の音楽のまちの推進について、市長の考えを伺います。
ミューザにおける奇跡の1週間ですが、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団、そしてベルリン・フィルハーモニー管弦楽団と、3公演とも見事にソールドアウトになったわけですが、ミューザ友の会でチケットを申し込んだ市内、市外の人数と、最終的に友の会でチケットを購入した市内、市外別の人数を伺います。いずれの演奏も会場全体を感動に巻き込み、熱狂したファンはステージ前まで寄り集まり、楽団員が去った後もマエストロを登場させたほどでした。このミューザで演奏した指揮者のホールに対する感想、聴衆に対しての思いがどうだったのか伺います。あわせて、この奇跡の1週間は、多くの人から高い注目を集め、日本で世界的な3大オーケストラを1週間で同じホールで聞くことができることはまさに奇跡だとの声も寄せられました。プログラムのラインナップはバランスがとれたすばらしく見事な企画だったと称賛されました。今後も世間の注目を集めるような挑戦的な企画が大いに望まれますが、今回の3大オーケストラを招致した経過と今後の招致の方向性について伺います。
モントルー・ジャズ・フェスティバル・ジャパン・イン・かわさきについて伺います。本年は、ミューザを中心に捉えての3回目のフェスティバルでしたが、今回の実績、収支状況を伺います。また、招致を促してきた経緯もあるのでしょうが、モントルー・ジャズ・フェスティバル・ジャパン・イン・かわさき終了後、ミューザ主催のジャズ・ナイトが開催され、それこそ日野皓正氏を初め国内の著名なアーティストが安価で出演し、内容的にも期待できる濃いライブになると思われます。この価格の違いは、モントルー・ジャズ・フェスティバルのライセンス料の反映なのか、ライセンス料についても伺います。この3年間の実施を通して見えてきた課題、特に集客と広報等の総括を伺います。
また、市長に伺いますが、来年度はスイスと日本国交樹立150周年に当たり、加えて、本市も市制90周年に当たるわけですが、来年度の実施に向けての考え方をお示しください。あわせて、その後の継続実施の可能性についてもお答えをください。
次に、ザルツブルク音楽祭のパブリックビューイングについてですが、今回の試行実施の結果はどうだったのか伺います。また、来年のリアルタイムでの本格実施に向けてのザルツブルク音楽祭との協議内容について改めて伺います。
この実施に向けての話し合いは、ザルツブルク音楽祭側と本市との間には信義という問題も横たわっています。市長は、実施及びその方法についてどのようにお考えなのか伺います。
毎日映画コンクール表彰式について伺います。ミューザ川崎シンフォニーホールリニューアルオープンの今年度の特徴について伺いますが、西口商店街への広がりのあるにぎわいの創出とか、川崎駅東側のイベント等を含めてお願いします。また、毎日映画コンクール表彰式の今後の方向性、課題についてもお答えください。
本市が推進する映像のまちの今後に向けてのお考えを市長に伺います。
次に、平成25年度病床整備事前協議の実施について伺います。本市内の2つの医療圏では、病床数について常に過剰地域と認識しておりましたが、このたび北部医療圏において基準病床数に対し166床下回ったとのことであります。その理由と具体的な根拠について伺います。新たな病床が整備できることをチャンスと捉えるべきですが、どのように活用されるのか伺います。また、望ましい活用となるよう促すことが必要と考えますが、伺います。特に新型インフルエンザ等の感染症対策及び災害時の対応など、危機管理体制の強化の視点が重要となりますが、考えを伺います。申し出期限が12月27日となっていますが、現在の申請状況を伺います。病床を整備できる機会がほとんどない中では、申請病床数が166床を下回ることがないような対応が必要と思われますが、考えを伺います。また、事前協議の中ではどのような審査が行われるのか伺います。病床が整備されることは地域医療の充実につながり、市民の福祉サービスの向上が図られる一方で、ふえ続ける社会保障費をどのように抑制していくのかという財政課題に直面することになります。166床の新たな病床の整備が財政上にどの程度影響を与えるのか伺います。
次に、小杉町3丁目東地区第一種市街地再開発事業について伺います。本事業のスケジュールでは、平成25年度都市計画決定、平成26年度組合設立認可、平成27年度着工、平成30年度竣工となっていますが、現況と見通しについて伺います。あわせて、地域住民の方々や地権者の方々には、これまでどのような説明が行われてきたのか、その内容について伺います。また、権利者の保全を図り、都市再開発法に基づくまちづくりを実施することが求められているわけですが、権利者に対するこれまでの説明に対し、権利者の方からの理解は示されているのか伺います。また、権利者の将来設計はどのように保障されているのか伺います。
市長に伺います。武蔵小杉駅周辺のまちづくりについては、本市の広域拠点にふさわしいまちの形成には今後も積極的に推進することが必要であると考えます。見解を伺います。加えて、今後の取り組みについて、市長の基本的な考え方を伺います。
次に、川崎市バス事業経営問題検討会からの答申について伺います。市バス事業を取り巻く環境は依然として厳しい状況が見込まれていることから、昨年、川崎市バス事業経営問題検討会が設置され、答申の重点施策として、安全・安心な輸送サービス、お客様満足度の向上、地域貢献、経営力の強化、職員の意識改革が示されました。ラッピングバス広告や不用品の売却にあわせ、コスト縮減で単年度1億3,000万円圧縮を行いましたが、今後の見通しについて伺います。職員が削減され、残業時間がふえ、中には基準時間を超える職員がおり、労働基準監督署から指導を受けることがあったと聞いておりますが、現状と今後の対応について伺います。また、今後の大幅な利用者増が見込めない中で、本市のバス事業はどのようにあるべきなのか、考えを伺います。
次に、議案第156号、川崎市営住宅条例の一部を改正する条例の制定について伺います。かねてから市営住宅については入居希望者が大勢いることからも、使用料滞納者へは税の投入や公平性の観点からも厳しく対応すべきと指摘してまいりました。さきの議会では、川崎市債権管理条例が制定されていますが、今回、市営住宅条例で規定することの理由を伺います。現在の滞納者はどの程度いるのか、改めて伺います。施行期日が来年の4月1日となっていますが、現に滞納している者への対応について伺います。また、債権は、公債権、私債権、どちらの扱いになるのか伺います。公債権と私債権では、延滞金の率などの違いがあるのか伺います。債権の時効についても伺います。本市では、使用料徴収等の事務を川崎市住宅供給公社に委託していますが、公社には債権管理という趣旨を十分理解した上での業務履行が求められますが、対応を伺います。使用料の延滞金の減免とはどのような場合が想定されるのか伺います。その判断に公社がかかわるようなことがあるのか伺います。
次に、議案第181号、川崎市葬祭場の指定管理者の指定について伺います。まず、申請団体が1団体となっていること、言いかえれば公募を行わなかったことについて、この共同体が指定管理予定者となったことの理由を伺います。民間活用推進委員会では、各選定基準について比較対象が存在しない中、どのように評価されたのか、審査過程を伺います。指定管理者制度を導入することは、率直に言えば、さらなるサービスの拡充とコスト削減を図るものであります。今回の審査では、事業経営の計画と管理経費縮減等への取り組みにおいての評価が気になるところであります。全配点に対する評価点は約68%でありますが、この部分の選定基準の評価は約58%となっております。その理由を伺います。また、全体では基準点とされる6割を超えているものの、一つの項目でそれを下回る形になっていることへの考えを伺います。この部分の取り組みは指定管理料に関連してきます。この評価を受けた指定管理料の考えを伺います。また、経営計画と管理費縮減へのさらなる取り組みを求めるべきと考えますが、伺います。
以上で質問を終わらせていただきますが、答弁によっては再質問をさせていただきます。(拍手)
○議長(浅野文直) 市長。
〔市長 福田紀彦登壇〕
◎市長(福田紀彦) それでは、私から、ただいま自民党を代表されました石田議員の御質問にお答えいたします。
まず、市長選挙についての御質問でございますが、今回の市長選挙におきましては、投票率が過去2番目に低い32.82%という投票率にとどまり、多くの有権者の方々に御参加いただけなかったことは非常に残念であると感じております。こうした投票率も踏まえながら、私といたしましては、日々緊張感を持ちながら、身近な市政の実現を目指し、市民市長として市民の方々の現場を回り、その声を市政に反映するよう注力してまいります。あわせて、市民の皆様とお約束した公約につきましては、任期である4年間での達成を目指した取り組みを進め、自分の1票で市政が変わったことを実感していただくことで、さらに参加の輪を広げ、次回の投票率が上がっていくようなサイクルを生み出していきたいと考えております。
財政運営についての御質問でございますが、本市では、過去に右肩上がりの経済成長を前提に創設した市民サービスを提供し続け、また、多くの事業を直営方式で実施してきた結果、危機的な財政状況に陥ったものと理解しております。その後、前市長が財政危機を宣言し、不断の行財政改革に取り組んだ結果、危機的な財政状況から脱却し、現在に至っているものと認識しております。私が進める持続可能な社会をつくり出すためには、中長期的な展望に立った行財政運営を行うことが大変重要であると考えています。したがいまして、私がこの間、市民の皆様にお約束してきた施策を推進していくために、力強い産業都市の実現に向けた取り組みや、市民の目線に立っためり張りのある改革を推進していくとともに、地方財政制度に基づく財政措置を効果的に活用するなどにより、安定的な財源を確保していきたいと考えております。
行財政改革についての御質問でございますが、人口増加が続く本市においても少子高齢化は着実に進展しており、本市に求められる行政需要はこれまで以上に増大、多様化しています。こうした市民の皆様のさまざまなニーズに的確にお応えしていくためには、効率的・効果的な行政体制や持続可能な行財政基盤を構築することが不可欠です。こうしたことから、公共サービスにおける民間部門のさらなる活用や効率的な行政運営に向けた組織体制の整備など、市役所の内部改革につきましてはこれまでの取り組みの経過も十分に踏まえ、今後の方向性を早急に明らかにし、引き続き全職員が一丸となって取り組んでいく必要があると考えています。一方で、市民の皆様に直接影響のある市民サービスの見直しなどにつきましては、今後新たな総合計画の策定作業と連携し、改革の目的や効果を明らかにした上で、市民や議会の皆様の声をしっかりとお聞きしながら計画策定を進めてまいりたいと考えております。
都市機能分担についての御質問でございますが、首都圏を広く見渡してみますと、商業・業務機能が集積した都市や産業都市、観光都市、住宅都市などさまざまな都市がそれぞれの特色を持っています。そのような中で、本市は首都圏の拠点都市の一つとして、生活、文化、医療、福祉等の機能を備えた自立性の高い都市機能を有すると同時に、臨海部やJR南武線沿線における多くの先端的な産業や研究機関の立地、多様なエネルギー産業の集積などが大きな特徴となっており、産業都市として大きな役割を果たしています。今後も川崎市の玄関口としての川崎駅周辺地区や、便利で活気のある小杉駅周辺地区、芸術や文化の魅力あふれる新百合ヶ丘駅周辺地区において広域拠点の整備を推進するとともに、臨海部におけるさらなる産業・研究開発機能の集積や、身近な暮らしやすいまちづくりの推進、広域的な交通ネットワークの形成により首都圏が日本の頭脳となり、産業発展のエンジンとなるよう九都県市首脳会議等の枠組みを活用して近隣他都市と協調しながら、環境や暮らしと調和する最先端の力強い産業都市を目指して取り組んでまいります。
成長モデルについての御質問でございますが、この川崎は、世界への玄関口である羽田空港に隣接する臨空都市です。また、国内でも最高レベルの冷凍冷蔵倉庫群を持つ川崎港も積極的にポートセールスを展開し新たな航路を開拓するなど、その優位性を生かした取り組みを進めています。さらに、首都圏の好位置に立地しており、鉄道や道路を通じて都市へのアクセス性が抜群によいという特徴を備えています。私は、このような地理的優位性などを持つ川崎のポテンシャルは非常に高いものと考えています。このようなポテンシャルに加え、さらにライフイノベーションや環境技術を生かした成長産業等の育成、インターネット環境の充実などに取り組むことでビジネスしやすいまちづくりを進め、力強い産業都市として持続的に発展することが日本の新しい成長モデルになっていくものと考えています。
天下りの考え方についての御質問でございますが、初めに、天下りにつきましては、一般論として、退職した公務員が国から地方自治体や関係団体、そして地方自治体から出資法人などの職につき、在職時と同額程度の報酬で退職金が支給される形態を指すものと捉えております。また、KING SKYFRONTにおけるライフイノベーションの推進を初め成長戦略の推進などの場面においては、神奈川県や横浜市とともに国との連携が重要であると考えております。一方、市民の現場に出向き、その声に真摯に耳を傾け、川崎市の地域特性などを踏まえた市民の視点に立った川崎モデルを構築し、発信していくことも、市民の方々に地域のまちづくりに積極的に参加していただくなど市民が主役の市政を実現していくためには、市民市長であることが必要と考えております。次に、職員の再就職のあり方につきましては、公平性・透明性の確保は重要ですので、今年度末までにそのあり方について、局長級を対象として、より透明性が確保できるよう方向性を検討してまいります。
中学校給食についての御質問でございますが、中学校給食につきましては、子育て世代の働き方の多様化などにより、子育て環境の整備の視点においても大きな効果があると考えております。また、これからの川崎を担う中学生を食育の観点から、栄養のバランスにすぐれた給食制度でサポートしていきたいと考えております。平成23年3月に市議会において中学校完全給食の早期実現を求める決議が全会一致で可決されたことは市民の総意として受けとめており、市民のニーズも高いものと認識しておりますので、一刻も早い導入を目指してまいりたいと思います。次に、中学校給食の導入を図るに当たり、まず12月1日付で中学校給食推進担当課長を配置し、早期実施に向けた推進体制の整備に着手しました。さらに、年度内に体制を拡充し、新年度にはさらなる体制を整備しながら事業を推進してまいります。また、庁内プロジェクトチームとして全庁的な推進体制を構築するために、私が委員長となり、副市長、関係局長で構成する中学校給食推進会議を設置いたしました。この推進会議におきまして、民間活力を生かしたあらゆる手法を比較検討の上、安全・安心で温かい給食を提供できるようスピード感を持って中学校完全給食の早期実現に取り組んでまいります。教育委員会が今年度中に実施する中学校の既存施設・設備の調査や児童生徒、保護者へのアンケート等を踏まえ、平成26年度には、所要額や財源を精査し、財政負担を考慮した具体的な実施手法等についてお示ししてまいります。平成27年度には、教育委員会で決定した実施方針に基づき、導入に向けた準備等を行います。今後、スケジュール等については、中学校給食推進会議において検討を図ってまいります。
全国学力・学習状況調査の公表についての御質問でございますが、全国学力・学習状況調査は、児童生徒の学力や学習状況を把握、分析し、教育施策の成果と課題を検証し、その改善を図るとともに、学校における児童生徒への教育指導の充実や学習状況の改善等に生かされるものであると考えています。学力を向上するためには、学校と家庭とが力を合わせていくことが大切であり、そのためには来年度の全国学力・学習状況調査の結果について、文部科学省が示した実施要領に基づき、なるべく早い時期に教育委員会や学校が適切な方法で公表することが望ましいと考えております。
国際戦略総合特区についての御質問でございますが、本市では、これまで高度なものづくり技術や立地優位性など、本市の持つ特徴と強みを生かし、超高齢社会における課題の解決に貢献するとともに、ライフサイエンス分野などに関連する機能の集積と新産業の創出を目指して、総合特区制度を活用しながら、KING SKYFRONTにおいて国際戦略拠点の形成に取り組んでまいりました。これまでの取り組みを通じて、実験動物中央研究所や国立医薬品食品衛生研究所、仮称ものづくりナノ医療イノベーションセンターやグローバルに事業を展開している民間企業など、ライフイノベーションを牽引する機能の集積が順調に進んでいると実感しているところでございます。今後もグローバルな視点に立って国際戦略拠点の形成を進めるとともに、当地区に立地する研究機関や企業を初めすぐれたものづくり技術を有する市内企業と積極的な連携を図ることで、地域経済の活性化や我が国経済の持続的な発展につながる取り組みを進めてまいりたいと思います。次に、国家戦略特区における医療分野の規制改革事項についてでございますが、本年9月に本市は神奈川県、横浜市とともに、健康・未病産業と最先端医療関連産業の創出による経済成長プランを提出しました。この提案は、3自治体が取り組むそれぞれのプロジェクトとその推進に当たり必要となる規制緩和等を提案したものでございまして、本市にかかわるプロジェクトにつきましては、医師会や病院協会を初め関係者の皆様の御理解をいただきながら取りまとめたものでございます。このたび国において決定された検討方針では、3自治体からの提案も盛り込まれているところでございます。本市といたしましては、今後とも、市民や関係団体の方々の御理解をいただきながら、ライフイノベーションを加速させ、地域経済の発展や我が国の成長を牽引するよう、神奈川県、横浜市とともに取り組みを推進してまいりたいと考えております。また、県は、KING SKYFRONTにおいて、再生・細胞医療分野を中心に研究から事業化に向けた取り組みを推進する施設の整備を計画しています。この施設と、既に立地している研究機関等との連携による効果も期待されることから、引き続き県と協調しながら取り組みを進めてまいります。
次に、羽田連絡道路についてでございますが、国際戦略拠点の形成が進む中、羽田空港を中心としたエリアが持つポテンシャルや価値を一層高めるためにも、多摩川対岸と一体的な拠点形成を推進することが必要であり、その実現には交通インフラも重要な要素であると考えております。羽田連絡道路の整備につきましては、東京都や大田区など多岐にわたる関係機関との合意形成が必要であるため、これまでも国主催の特区連携に関する検討会などで幅広く議論を進めているところですので、引き続きさまざまな場を活用して合意形成を図り、早期の実現を目指してまいります。
次に、東南アジア各国と我が国をつなぐ取り組みといたしましては、これまで特区区域におきましてアジアを初めとする海外マーケットを視野に入れ、事業展開する企業の誘致や研究機関のアジア展開を支援してきたところでございます。そして、その成果として、進出が決定したジョンソン・エンド・ジョンソン、コヴィディエン ジャパンといった世界有数の医療機器メーカーや、既に立地している実験動物中央研究所によるアジアへの事業展開が見込まれております。さらに、川崎生命科学・環境研究センターに設置した川崎市海外ビジネス支援センターに海外取引に精通したコーディネーターを配置し、市内企業の東南アジアを初めとした海外展開を支援しているところでもございます。今後も事業の海外展開やグローバル企業との連携を図りながらライフイノベーションの取り組みを推進してまいりたいと考えております。
次に、ホテル、コンベンションの誘致などについてでございますが、これら施設は魅力ある都市拠点の整備において大変重要な都市機能の一つとして認識しており、交通結節点として利便性の高い川崎駅周辺と小杉駅周辺において誘致などに向け取り組んでいるところでございます。川崎駅周辺では、西口の大宮町A−2街区におきまして、新たな川崎の顔として駅前にふさわしいホテル、コンベンションの導入について、土地所有者であるJR東日本に働きかけを行い、現在、JR東日本において検討をいただいております。また、小杉駅周辺では、小杉町2丁目地区におきまして会議、レセプション、展示会など多様なイベントにも対応が可能なおおむね1,000人規模のホールを中心としたコンベンションの整備について準備を進めております。その他、大規模な集客施設である等々力陸上競技場や川崎競輪場の再整備において、従来の施設機能を拡充させ、レイアウトの工夫により、展示やレセプションなど多目的に利用できる空間の整備も予定しております。
次に、大田区との協議についてでございますが、KING SKYFRONTにおきましては、ライフイノベーションを牽引する機能が集積し、一方で、多摩川対岸の羽田では国際会議場や展示場、ホテルなどが計画されております。本市といたしましては、羽田空港を中心に都県境を越えて相互の機能の役割分担や連携を行うことにより、相乗効果の発現を図ることが必要と考えており、大田区、東京都などの関係機関が参加する国主催の特区連携に関する検討会でも提案したところでございます。大田区とは、今後も特区の連携に関する検討会や本年4月に締結した基本協定に基づく取り組みなどを通じて協議調整を図ってまいりたいと考えております。
次に、公約実現に向けたタイムスケジュールについてでございますが、私が掲げた公約は4年の任期中に実現することを目指して全力で取り組んでまいります。その実現に向けたスケジュールにつきましては、その施策ごとに適宜お示ししてまいります。
区への分権についての御質問でございますが、これまで自治基本条例に基づく市民本位のまちづくりとして、区役所を、快適な窓口サービスの提供に加え、地域の課題をみずから発見し解決する市民協働拠点とすることを基本的な考え方として、区役所機能の強化に取り組んできたところでございます。今後につきましては、子育て環境の整備などの子育て事業を初めとして、身近な課題は身近なところで解決するという補完性の原則に基づき、まずは区で何ができるかを調査検討し、順次積み上げていく中で、市民や議員の皆様の声もしっかりとお聞きしながら、区へのさらなる権限強化に向けた取り組みを行ってまいりたいと考えております。また、地域課題対応事業費につきましては、区民との協働により区役所が主体的に課題を解決するための予算でございますが、区ごとに異なる特色を生かして地域に根づいたまちづくりが実施できるよう、予算編成の中で調整してまいります。次に、区への権限移譲につきましては、ミニ市役所化に向けた制度設計を行い、法制度との整合を図りながら、効率的かつ効果的に取り組んでまいりたいと考えております。
Wi-Fi化計画についての御質問でございますが、これからの時代においてはインターネット環境の整備が都市の価値を決める重要な要素になってくると考えております。Wi-Fi環境の整備につきましては、市民を初め来訪者、旅行者など、市内にいる全ての人を対象として誰もが利用できるWi-Fiアクセスポイントを設置することを考えております。こうしたインターネット環境が進んだ都市をつくることは、強いビジネス環境を創出するとともに、市民の皆様の利便性の向上や身近な防災、防犯、交通、教育といった各分野での住みやすいまちづくりに役立つものと考えております。今後、新たな成長戦略、新しいサービスの提供、新ビジネスの創出等につながる市内のWi-Fi環境の整備を積極的に推進するに当たりまして、提供する情報や整備費用など、検討すべきさまざまな課題や調整の必要な事項が多岐にわたっていることから、外部のICT関連専門家や電気通信事業者等を含めた検討プロジェクトチームを早急に設置し、現況の把握や課題の分析など、調査研究を進めてまいりたいと考えております。
国や県に対する要望等についての御質問でございますが、初めに、指定都市市長会及び議長会の連名による大都市財政の実態に即応する財源の拡充についての要望につきましては、社会経済情勢の変化に伴い、極めて厳しい財政運営を迫られている指定都市が協調して地方税財政制度などについて国に対し要望を行っているものでございます。要望項目につきましては、全ての指定都市が共通する内容として、協議の上、取りまとめられたものでございまして、本年度は本市が幹事市となり、前市長と市議会議長により国や各政党に対して要望を行っていただいたところでございます。こうした地方税源の充実などの大都市の実態に即応した税財政制度の確立については、私が公約として掲げる力強い産業都市と安心のふるさとの調和によるまちづくりを実現していく上で、大変重要な取り組みであると認識しております。今後もこうした指定都市として協調した取り組みを進めていくとともに、持続可能な行財政基盤の確立に向けて本市独自の国への働きかけを行ってまいりたいと考えております。
次に、県の予算編成に対する要望についてでございますが、本市が抱える行政課題に的確に対応するとともに、本市が進めるまちづくりのために広域的な視点から県と協調して取り組むことも必要であり、県の予算編成に向けて働きかけていくことは重要であると考えています。このたびの要望項目である京浜臨海部を核としたライフイノベーションの実現、石油コンビナート地域の防災対策の推進、児童生徒一人一人の教育的ニーズに応じた支援の拡充など、いずれも私の公約に掲げる政策の方向性に一致しており、私が描く川崎の将来ビジョン、川崎を日本一幸せのあふれるまち、最幸のまちにする上で欠かせないものでございますので、私みずから今月中旬に黒岩知事に直接お会いし、しっかりと要望を行ってまいります。
次に、県費負担教職員の給与負担等の財政措置についてでございますが、県費負担教職員制度につきましては、教職員の任命権は指定都市が有しているのに対しまして、給与費負担、教職員定数等に係る権限は道府県が有しているという現行制度上のねじれを改め、学校の設置者である指定都市が主体的に市民のニーズに応じた教育を提供できるよう、これまで国等に対して制度の見直しを提案してきたところでございます。このたびの合意によりまして、県費負担教職員の給与負担等の事務移譲とともに、その財政措置として基幹的税目の税源移譲が実現できたことは、画期的であり、大変意義深いものと考えております。合意した財政措置といたしましては、地方財政全体の一般財源に占める地方税と地方交付税の比率がおおむね6対4であることを鑑み、個人住民税所得割2%分の税源移譲を行うこと、及び不足分については地方交付税制度により措置することとしたところでございます。この結果、指定都市合計では、所要額約8,754億円に対しまして税源移譲額は約5,270億円となり、所要額に占める税源移譲割合は約60%になりますが、本市におきましては税源移譲割合が約93%となっているところでございます。今後は、不足額に対する適切な財政措置について、道府県と連携し、国へ働きかけてまいります。なお、このたびの事務権限の移譲に伴う財政負担につきましては、地方分権の趣旨に沿って受益と負担の関係を明確にするため、県からの財源交付ではなく、基幹的税目の税源移譲と地方交付税との組み合わせとしたところでございます。今後は、平成29年度をめどに円滑な事務権限の移譲等が行われるよう県と協議調整してまいります。
次に、臨時財政対策債についてでございますが、臨時財政対策債は、地方交付税の振りかえとして措置されているものでございまして、本市では、市民生活の安全・安心を確保するための施策など必要な市民サービスを提供するため地方財政制度上認められた貴重な一般財源として活用してきたところでございます。しかしながら、臨時財政対策債は、将来世代への負担を先送りといった課題もありますことから、先ほどの指定都市の要望におきまして、地方財源不足の解消は地方交付税の法定率引き上げによって対応すべきであり、速やかに廃止することを求めてきたところでございます。また、先ほどの県費負担教職員の給与負担等の税源移譲に係る措置不足額につきましても、全て地方交付税により措置すべきものだと考えます。今後とも、他の指定都市と連携しながら、国に対し臨時財政対策債の廃止を要望してまいりたいと存じます。
都市農業についての御質問でございますが、本市では、農業者の意欲的な営農活動により、都市の有利性を生かした地産地消や掘り取り、摘み取りなどの観光農業を取り入れた積極的な農業経営が展開されています。また、施設を活用した高付加価値型農業など、地域ごとに多種多様な経営が見られ、県内トップクラスの技術を持つ農業者も数多くいらっしゃいます。しかし、都市化の圧力や相続税等による農地の減少、農産物価格の低迷、農業者の高齢化や後継者問題など、本市の農業を取り巻く環境は依然として厳しい状況にあると認識しています。都市農業につきましては、新鮮な農作物の供給といった生産面での重要な役割だけでなく、緑の保全や災害時の一時避難場所など、環境、防災など多様な役割を果たしていますので、引き続き都市農地の保全に努めてまいります。現在、農地転用や農業振興地域の指定など農地の土地利用に関する権限の多くは県知事にありますが、都市農地の抱える課題については、市街化が進展する周辺地域との調和などまちづくりの視点を踏まえ、農業者の生活基盤の確保に資する柔軟な土地利用を図るなど地域の実情に即したきめ細やかな対応が必要です。貴重な都市農地の保全を図っていくため、効率的・効果的な施策展開に向け、転用許可権限や農業振興地域の指定権限等について包括的な移譲を受け、本市が一元的に施策を推進することが必要と考えておりますので、引き続き県に対して権限の移譲を求めてまいります。また、都市農業が安心して営めるよう、相続税納税猶予制度の見直しや相続税率の引き下げなどについても、国に働きかけていきたいと考えています。
神奈川県からの事務権限移譲等についての御質問でございますが、さまざまな身近な課題に迅速、的確、柔軟に対応していくためには、県から基礎自治体への事務権限の移譲等を進めていくことが必要であると考えています。都市計画と農地等の土地利用の分野や、福祉、医療、教育等の対人サービスの分野の事務は、基礎自治体として重要なものであると考えておりまして、移譲を受けて一体的、総合的に事務を行うことにより、市民の暮らしやすいまちづくりにつながるものと考えています。今後も市民ニーズを踏まえた地域課題を解決し、さらに充実した市民サービスを提供することができるよう、神奈川県に対し引き続き必要な事務権限の移譲や、移譲に伴う適切な財政措置について要望してまいります。
次に、幼保連携型以外の認定こども園の認定事務につきましては、昨年度に設置されました地域主権に関する県と指定都市との意見交換会におきまして一元的、総合的な子ども・子育て支援施策の実施等を目的に、最優先に移譲することを求めて協議を進め、このたび、平成27年4月から本市へ移譲することに向けて合意したところでございまして、今後は円滑な移譲に向けて手続を進めてまいります。
入札制度についての御質問でございますが、市内中小企業者への発注は、地域に精通した業者による質の高い工事施工などが期待でき、その結果、優良な市民サービスを確保できるとともに、市民の皆様に納めていただいた税金を有効に活用することにより、市内経済を活性化させ、雇用の確保にもつながるものと考えられますことから、市内中小企業者への優先発注や育成などにより、地元企業を大切にすることは大変重要なことだと考えております。本市では、従来より、入札契約制度の基本方針において、予算の適正な使用に留意しつつ、市内の中小企業者の受注の機会の増大を図ることとし、入札参加資格において市内中小企業者であることを原則とするなど、市内中小企業者優先発注に努めております。新たに本市の施策に貢献している事業者を積極的に評価する取り組みとして、災害協定を締結している事業者に限定した入札を年内にも試行実施することとしております。今後におきましても、地元企業を大切にする仕組みづくりを進めるとともに、最低制限価格のあり方を初めとするその他の入札契約制度につきましても、国や他の自治体の制度内容や効果等を分析するなど検討を重ねてまいりたいと存じます。中長期的な公共工事の品質や担い手の確保は、建設業界全体の重要な課題でございますことから、国においても法改正を含む検討が行われておりますが、本市におきましても、建設技能労働者の人材確保対策や工事内容等に応じた多様な入札契約制度の検討を進め、継続的な効果を発揮する入札契約制度の改革に引き続き取り組んでまいります。
朝鮮学校補助金についての御質問でございますが、本市では、学校の所轄庁である神奈川県が行う経常費補助を補完する立場から、整備費、研修費にかかる経費の一部や保護者が負担する学費の一部について補助を実施してまいりました。しかしながら、神奈川県は、朝鮮学校補助金について、平成25年度から経常費補助の予算計上を見送っている状況でございます。これまでの県を補完するというこの補助金の本来の考え方から、神奈川県が予算計上を見送っているという状況を踏まえ、今年度の補助金の交付は行わないことといたします。なお、来年度におきましては、予算編成の中で本市の補助のあり方について検討してまいります。
待機児童の解消についての御質問でございますが、初めに、私の選挙公約の最重要課題である川崎市の待機児童ゼロの実現に向けて、その対策を講じるプロジェクトチームとして、庁内に私をトップとした待機児童ゼロ対策推進本部を、また、区役所には区長をトップとして待機児童の解消に向けた具体的な方策等を検討するため待機児童ゼロ対策推進会議を12月1日に設置し、3日には両会議を合同開催し、各区の課題等の共有化を図ったところです。今後につきましては、待機児童ゼロに向けた取り組みについて、推進本部会議、同会議の検討部会、区の推進会議においてしっかりと議論した上で、まずは来年2月に予算の基本的な考え方を公表する際に具体的な内容をお示ししてまいりたいと考えております。
次に、待機児童の定義見直し等についてでございますが、本市におきましては、国の保育所入所待機児童の定義に基づき待機児童を算定しており、今後とも国の示す定義に基づき待機児童を算定していく予定でございます。また、将来的な目標につきましては、今後も受入枠の拡大のために認可保育所を整備していくことは必要ですが、現状のペースでつくっていくことは、財政上の問題、土地の確保の点からもかなり厳しいと考えております。したがいまして、保育所利用申請者数の伸びを考慮し、地域保育園などから一定の質の担保ができている川崎認定保育園への移行により、受入枠を拡充しながら認可保育所の必要数を計画的に整備し、継続的な保育サービスが提供できるようにしてまいりたいと考えております。
次に、待機児童に対する感想でございますが、これまで尽くしてこられた待機児童解消に向けた努力は多としますが、この待機児童の解消を含めて、市民の皆様との公約の実現には多額な財源が必要なことは十分に認識しておりますので、めり張りをつけて本市の貴重な財源を配分し、効率的に執行していくことが必要であります。いずれにいたしましても、待機児童の解消は保育の量的拡大・確保、そして質の担保の2つを実現していくことが重要であり、そのためには職員が一丸となって英知を結集し、この難題の解決を目指してまいります。
次に、認可外保育施設への助成の拡充についてでございますが、川崎認定保育園を新規認定する際に本市からの助成対象となっていない地域保育園につきましても対象とし、本市が定める客観的な基準を満たす場合には予算の範囲内において認定することにより、助成対象施設の量的拡充に努めていきたいと思います。また、保護者の負担軽減につきましては、川崎認定保育園に通う保育に欠ける児童の保護者に対し、月額5,000円の保育料補助をこの10月より実施したところでございますが、認可保育所の保育料と比較しますと負担が大きい状況でございますので、補助金額の拡充について検討してまいりたいと考えております。
次に、我が国の伝統的な家族観についてでございますが、社会経済環境の変化などを背景として、保育所の待機児童、児童虐待、子育て家庭の社会的な孤立や格差の広がりなど、さまざまな社会的問題が生じております。これらの子育てを取り巻く環境の変化や社会的問題などに対応するためには、地域や社会全体で子どもと子育て家庭を支える仕組みづくりを視点として、その取り組みを進めることが重要であります。子育てについての第一義的な責任は保護者にあることを前提としつつも、未来の担い手である子どもたちが健やかに生まれ育つ環境を整えるためには、子育て家庭のさまざまなライフスタイルの中でのその家庭状況に応じた支援をしていく必要があると考えております。
次に、就学前の幼児教育・保育の総合的な対策についてでございますが、平成27年度からの子ども・子育て支援新制度の施行に先立ちまして、国からは、待機児童解消加速化プランにより、ゼロ歳から2歳児などに特化した受け入れを行う小規模保育事業の整備の推進などとあわせ、3歳児以降については幼稚園に対する長時間預かり保育事業への支援策などが示されてきております。本市といたしましては、国の支援策を活用しながら、ゼロ歳から2歳児の受け入れ策を拡充するとともに、3歳児以降については、保育所だけでなく約6割の子どもが幼稚園に通園していることを踏まえ、保護者の多様な教育・保育ニーズに対応できるよう、幼稚園における長時間預かり保育事業の支援を充実することにより、3歳児以降の総合的な幼児教育・保育の充実を図ってまいりたいと考えております。
次に、少子化における財政負担についてでございますが、本市におきましては、現在、公立保育所の建てかえ、民営化を初め、新たな保育所整備につきましては社会福祉法人や民間事業者の活用を基本として、安心こども基金を積極的に確保し、進めております。今後も将来の保育需要を十分に踏まえ、持続可能な社会の実現に向け、多様な手法により適正に整備を進めてまいります。
小児医療費助成制度についての御質問でございますが、本制度は、お子さんが病気のときに医療費の心配をせず、必要な医療を受けることができる制度であり、安心して子どもを産み育てることができる環境づくりを進めていく上で大変重要な子育て支援策の一つであると考えております。したがいまして、本制度の拡充を公約とさせていただいたところです。内容につきましては、通院医療費助成の対象年齢を現行の小学校1年生までから小学校6年生まで引き上げることとしております。これに伴い、新たに必要となる費用としては、事業費全体として約13億7,000万円を見込んでおります。財源の確保につきましては、大きな課題と受けとめておりまして、一層行財政改革の取り組みを進めていくことが必要であると考えております。達成の目標年次につきましては、本市における子育て環境の整備を進める中で総合的な検討が必要ですので、現行制度の運営状況及び財政状況等を見据えながら、できるだけ早期の実現を目指してまいります。次に、所得制限についてですが、限られた財源の中で持続可能な制度として安定的に運営するために、今後も引き続き設ける必要があると考えております。
妊産婦等に対する歯科検診事業についての御質問でございますが、妊産婦に対しましては、これまでも各区保健福祉センターにおける両親学級、マザーズブラッシング事業、乳幼児歯科相談等の実施及びホームページなどの媒体を活用した歯科保健の普及啓発の充実に努めてきたところでございます。また、低年齢児に対する歯科保健の取り組みにつきましては、3歳児の虫歯のない者の割合が政令市の中でトップレベルを維持していることから、一定程度の成果が出ている分野であると考えております。今後におきましては、これまでの取り組みに加え、年齢を重ねてもいつまでも健康に暮らしていくことができるように予防医療を広く進めていくことが重要であると考えておりますので、御質問にありました妊産婦や乳幼児の歯科検診事業を含め、効果的な取り組みについて広く検討してまいりたいと考えております。
放課後児童クラブについての御質問でございますが、社会福祉法に基づき、第二種社会福祉事業の届け出をしている民間の事業者に対しては、市のホームページでの紹介や下水道使用料の減免、事業系廃棄物処理、光化学スモッグ情報や不審者情報などの提供及び職員に対する研修の案内などの支援を行っております。民間の事業者にはさまざまな運営形態がありますが、わくわくプラザ事業との整合性を踏まえた上で、支援のあり方について検討をしてまいりたいと思います。
地域の寺子屋事業についての御質問でございますが、私は、地域ぐるみで子どもの育ちを支え、多世代で学ぶ生涯学習の拠点をつくることを目的として、地域の寺子屋を開設し、地域の教育力を高めてまいりたいと考えております。具体的には、放課後や土曜日を中心に、地域の方々に子どもの学習や体験活動の支援、世代間交流などをしていただきたいと考えております。次に、事業を実施する対象の学校は、基本的には小学校を考えておりますが、具体的な方策、スケジュール等につきましては教育委員会が検討を進めているところでございます。また、実施にかかる経費につきましては、子どもたちの学習を支援してくださるボランティアの方々への謝礼や教材費、保険料などが想定されると考えております。この事業は、さまざまな地域の皆様に御協力をいただきたいと考えておりますが、特にこれまで社会や家庭生活の中で培ってきたさまざまな経験や知識をお持ちのシニア世代の皆様には、ぜひその能力を生かして地域の子どもたちの育ちを支えていただきたいと考えております。
がん検診の受診率についての御質問でございますが、本年3月に策定した第2期かわさき健康づくり21における本市の目標値は、政令市における現在のトップレベルの受診率とおおむね同じでございますので、目標年度を私の任期中をめどに前倒しすることにより達成したいと考えております。財源に関しましても、現段階では国庫補助金の活用など不明な点もございますが、必要な財源を確保し、実現に向けて取り組んでまいりたいと思います。また、手法に関しましては、受診率向上に効果があると確認されている積極的な個別受診勧奨や新たな啓発物による広報など、より効果的な手法を検討してまいります。
障害者施策についての御質問でございますが、障害者雇用につきましては、本年11月に策定した川崎市障害者雇用・就労促進基本方針をさらに発展させていく形で、障害のある人が障害のない人とともにあらゆる場面で生き生きと働いている姿が当たり前となる新たな社会づくりを目指し、今年度末に策定を予定している障害者雇用・就労促進行動計画の中で具体化してまいります。また、私が市政への考え方などでお示しした障害者の居住環境の整備など、ライフステージに応じた地域生活支援に関する取り組みにつきましては、来年度予定している第4次かわさきノーマライゼーションプラン策定の中で、年次ごとの数値目標を含め、市全体の財源調整を図りながら、障害のある人が地域で安心して自分らしい暮らしを送ることができる自立と共生の社会づくりに向けた検討を行ってまいりたいと考えております。
特別養護老人ホームの整備方針及び介護保険料についての御質問でございますが、初めに、本市におきましては、要介護状態となっていてもできる限り自宅で生活を続けることを希望される高齢者が多いことから、在宅生活を支援する居宅サービスや地域密着型サービスと特別養護老人ホームの整備を一体的に進めているところでございます。第6期計画の策定に当たり、特別養護老人ホームの整備につきましては、中重度の方の入居を基本としつつ、要介護度の比較的高い高齢者の在宅生活を支える複合型サービスとあわせ、いわゆる団塊の世代が後期高齢者となる2025年を見据えながら、具体化してまいりたいと考えております。
次に、介護保険料についてでございますが、第5期計画期間におきましては、高齢化の進展に伴う要支援・要介護認定者数の増加や施設サービスの拡充等による介護給付費の増大を見込んだことから現行の保険料となったものと認識しております。今後も介護需要は増加してまいりますが、本市といたしましては、給付と負担のバランスを適切に見込みながら、高齢者の方々がいつまでも元気なお年寄りでいていただけるよう、より一層介護予防等の施策に取り組んでまいります。
有償ボランティア制度についての御質問でございますが、今後ますます高齢化が進む社会においては、元気なシニア世代が社会に貢献しながら生きがいを持てる地域づくりが重要となります。こうしたシニア世代の方々には、その経験や知識を生かしてボランティア活動に参加し、地域課題の解決に取り組んでいただくとともに、地域でいつまでも輝いていただきたいと考えております。その際に一定の対価により活動の継続をサポートすることで、より一層の活動の活性化を図っていく方策の一つが有償ボランティア制度であると考えております。有償ボランティア制度における対価につきましては、あくまでもシニアの方々のボランティア活動の継続を支援することを目的とするものであり、したがいまして、臨時職員といういわゆる雇用の形態ではございません。いずれにいたしましても、全庁的に十分な調査検討を行った上で、必要に応じて有識者等の意見も踏まえ、制度設計を行ってまいります。
川崎縦貫鉄道計画についての認識とスタンスの御質問でございますが、私は、鉄道不便地域への対応としての地下鉄整備については、必要性を否定するも