議会発言集
議会発言集
令和 4年 決算審査特別委員会(健康福祉分科会 第2日)−09月29日-07号
令和3年 決算審査特別委員会(文教分科会 第1日)−09月22日-04号
令和2年 決算審査特別委員会(文教分科会 第2日)−09月25日-05号
令和1年 決算審査特別委員会(総務分科会 第1日)−09月19日-02号
令和1年 決算審査特別委員会(総務分科会 第2日)−09月25日-03号
平成30年 決算審査特別委員会(健康福祉分科会 第2日)−09月28日-
平成29年 決算審査特別委員会(総務分科会 第2日)−09月21日-
平成29年 決算審査特別委員会(総務分科会 第1日)−09月19日-
平成27年 第1回定例会ー2月26日ー 自民党代表質問(前編)
平成15年 決算審査特別委員会(一般会計・特別会計)−12月12日
平成12年 決算審査特別委員会(一般会計・特別会計)−12月11日-
平成12年 決算審査特別委員会(一般会計・特別会計)−12月11日-
◆石田康博 委員 平成11年度決算のうち,10款消防費2目の非常備消防費の消防団の費用に関連して,消防局長に伺います。
ことしも日本国内でいろいろな災害が発生いたしました。3月には北海道の有珠山が噴火し,付近住民およそ1万7,000人の人々が避難生活を余儀なくされ,6月には三宅島の噴火災害が発生し,いまだに全島避難が続いております。また,9月には東海地方で豪雨災害が発生し,死者が9人,約7万8,000戸の家屋が浸水被害を受けたとのことであります。さらに,10月には鳥取県西部で震度6強の地震が発生して,負傷者が138人,全壊した家屋が178棟に及んだとのことであります。いずれの災害現場でも,消防職員の皆さんを初め消防団の皆さんが活躍されておられるのを,テレビの報道などを通じて非常に頼もしく感じたところであります。私が住んでおります宮前区にも消防団が組織されておりまして,日ごろ,本来の生業の傍ら,ボランティア精神で火災,風水害などの被害の軽減のために大変なご活躍をいただいているところであります。
そこで,消防団のことについて何点か伺います。初めに,現在,市内には8つの消防団があると伺っておりますが,平成12年12月1日現在における各消防団ごとの定数と現員数について伺います。また,平成8年から女性消防団員も採用されているとのことでありますが,この女性消防団員の採用のいきさつと現員数並びに女性消防団員の採用の効果についても伺います。
次に,消防団員の任命の方法について,どのような資格要件などがあって,審査はどのようになっているのか。
次に,平成11年度中の消防団の火災,風水害など,災害出場件数の実績を伺います。
最後に,消防団員に年報酬や出動手当などが支給されておりますが,他都市と比較してどのような水準になっているのか,以上5点についてお伺いいたします。以上です。
◎三品秀夫 消防局長 消防団員の欠員対策等についてのご質問でございますが,初めに,消防団の活動は,火災の消火活動はもとより,ふだんの火災予防広報,花火や祭りの警備,年末年始における警備活動のほか,河川のはんらんなどによる水害や大地震発生時には,中心となって地域の防災活動にご尽力をいただくものでございます。ただいまご質問にもございましたように,ことしは全国各地で大きな自然災害が続発し,そのたびに消防団の活躍されている姿がテレビ等で報道されているところでございます。このように消防団員の皆様には,地域の消防防災のかなめとして,昼夜を分かたずご活躍をいただいておりますことに感謝を申し上げます。
次に,消防団の各消防団の定数と現員数についてでございますが,本年12月1日現在におきましては,臨港消防団定数145人に対し現員数118人,川崎消防団190人に対して174人,幸消防団185人に対して170人,中原消防団265人に対して259人,高津消防団135人に対して123人,宮前消防団125人に対して112人,多摩消防団160人に対して同数の160人,麻生消防団140人に対して同数の140人となっておりまして,多摩消防団と麻生消防団が充足率100%となっております。川崎市全体では定数1,345人のところ,現員数が1,256人で,充足率は93.4%となっております。
次に,女性消防団員の採用についてでございますが,消防団の活性化並びに活動内容の充実を図ること,さらには,消防団員の充足等を考慮いたしまして,平成8年から神奈川県下では初めての女性消防団員を採用し,平成12年12月1日現在,49人の女性消防団員が在籍いたしております。
次に,女性消防団員採用による効果についてでございますが,近年の災害の発生状況,その対応を見ますと,何といっても火災予防のための日常の啓蒙活動が極めて重要であり,女性消防団員におきましても,家庭の主婦を中心とした婦人層に対する火災予防広報あるいは火災発生時の初期消火方法を教授するなど,地域に密着した交流活動が重要視されるものであります。これらの活動におきまして,女性ならではのきめ細かさ,優しさ,思いやりなどを生かして地域とのコミュニケーションを図り,さらに災害現場におきましては,女性のソフトな面を生かした被災者の救援,現場広報,情報収集等の後方支援により消防団活動が幅広くなりますし,また,消防団活動の活性化など,多面にわたって効果が出ているところでございます。
次に,消防団員の任命の方法と資格要件等についてでございますが,川崎市消防団員任命条例に定めておりまして,当該消防団員の区域に居住する満18歳以上の者で,志操堅実,身体強健であり,団員として適当な者と定めております。また,町内会長や消防団幹部の方々の推薦に基づき消防団長が市長の承認を得て任命し,初めて消防団員として川崎市の特別職の公務員となるわけでございます。
次に,消防団員の活動状況についてでございますが,平成11年度におきましては,火災207件に対し,延べ4,370人が出場し,また,風水害等の特別警戒として28件,延べ640人が警備に当たるなど,地域に密着して活躍をされております。
次に,消防団員の報酬や出場手当などの処遇についてでございますが,川崎市消防団給与条例により定めておりまして,消防団員が災害の防除や訓練のために出務いたしたときの費用弁償といたしまして,1回につき3,500円が支給されております。なお,災害防除時間が2時間を超えるときには,さらに 3,500円を加算することとなっております。また,消防団員の年額報酬は,消防団長から団員に至るまで川崎市は一律1万7,000円となっております。そのほか,消防団書記手当及び消防自動車機関員手当が月額1,000円,小型動力ポンプ機関員手当は月額400円となっております。
最後に,消防団員の処遇についての大都市との比較についてでございますが,東京消防庁及び他の政令指定都市と比較いたしますと,年報酬だけを例にとりますと低額でございますが,消防団員の処遇は各都市によっていろんな形でなされておりまして,年報酬と出務費用弁償を支給していない都市もございますが,部分的に比較することは大変難しく,本市が支給しております消防団運営補助金等を含めて総合的に比較をいたしますと,ほぼ中程度となっております。以上でございます。
◆石田康博 委員 今,消防局長の答弁によりますと,市内8消防団のうち,定数を充足しているのは,多摩消防団と麻生消防団だけとのことです。そこで,この欠員状況を解消するための考え方について,何点か伺います。
初めに,消防団員の資格要件は,消防団の区域に居住する満18歳以上の者で身体強健,団員として適当な人とのことであります。今,この資格要件を満たし,欠員となっている消防団の区域内に居住し,消防団員になっていない人が大勢いるのではないかと思いますが,なぜこのように欠員となっているのか,その原因はどこにあるとお考えなのか伺います。
次に,このような欠員状況を解消するための一つの方策として,女性消防団員を採用されたとのことでありますが,消防局として,そのほか,現在まで欠員の解消についてどのような対策を講じてこられたのか伺います。
最後に,定数の多い消防団と少ない消防団があって,それぞれの区の人口などを比較してアンバランスを生じていないのか,消防団の定数の見直しなどをして,これらを改善する考えはないのか,3点について,再度伺います。以上です。
◎三品秀夫 消防局長 消防団員の欠員対策についてのご質問でございますが,初めに,消防団に欠員を生じている原因についてでございますが,第1には,世相が変化し,若年層の中には郷土愛護の精神が若干希薄になっておりますこと,第2には,若年層における自営業者の減少とサラリーマンが多くなっていることなど,地元と日常的に接する機会が少なくなっていること,第3には,消防団員に対する処遇面や階級制度になじまない方が多くなっていることなどが考えられるところでございます。
次に,消防局で欠員を解消するためにとってまいりました対策についてでございますが,魅力ある消防団づくりの方策といたしまして,わずかずつではございますが,現在まで数次にわたり消防団員の年報酬,出務費用弁償などの引き上げを行いまして,処遇の改善を図ってまいりましたほか,消防団の活動拠点となります消防団器具置き場の整備,消防団員に貸与しております被服の改善,消防団員の親睦事業の開催,さらには消防団の存在,役割を認識してもらうため,随時,自治省消防庁等が作成いたしました消防団員募集のポスターを掲出あるいはチラシを配布し広報に努めるなど,種々の対策を行ってきたところでございます。
最後に,消防団の定数の見直しについてでございますが,当市では,川崎市消防団の設置及び定員に関する条例に基づき各消防団の定数を定めております。平成8年4月には,市の北部地区の人口増加などの変化によりまして,各消防団の不均衡が生じましたことから,国が定めております消防力の基準並びに当時の在職中の消防団員の数を勘案し,さらには消防団長会議等においてご意見を伺いながら各消防団の定数を改正し,現在に至っているところでございます。
ご案内のとおり,消防団が地域の消防防災に果たす役割は非常に重要なものと認識いたしておりますので,地震等の大規模災害におきましては,災害当初,市内の全消防力をもって対処する必要がありますので,消防団の定数に対して100%充足するよう,消防団長会議等を通じて種々の方策を講じてまいりたいと考えております。したがいまして,定数を削減することは考えておりません。以上でございます。
◆石田康博 委員 ご答弁をいただきましたが,消防団の欠員状況を解消するために,いろいろな施策をとってこられたことは理解いたしました。しかしながら,現実に欠員状況が続いているということは,何か方策を考えなくてはならないかと存じます。先ほども消防局長のご答弁にもありましたが,私は,消防団員の皆さんの処遇を改善し,より魅力的にするとともに,若くして消防団に入られても,やめられたら普通の人ということがないように,消防団員の皆さんにも何か資格を持たせて,地域のリーダーとして誇りが持てるようにしてやることも一つの方策ではないかと考えるところであります。この消防団員の処遇を改善することと,さらに誇りを持たせられるような資格を取らせることについての考え方について伺います。以上です。
◎三品秀夫 消防局長 消防団員の処遇改善等についてのご質問でございますが,初めに,消防団員の処遇を改善することについてでございますが,消防団員の方々の報酬,各種手当等は,単独で他都市との比較をいたしますと低額でございますので,今後とも関係局と協議をしながら,その増額に向けて努力をしてまいりたいと存じます。また,そのほか,消防団器具置き場の施設整備あるいは消防団員に貸与している被服などにつきましても,若い団員のニーズを取り入れて改善をしていくなど,引き続き努力をしてまいりたいと考えております。
次に,消防団員の資質の向上に係る資格取得等についてでございますが,消防団の活動に直接関連をいたします消火,人命救助などの技術向上を目的とした消防訓練や水防訓練,操法競技大会に伴う集中的な基本訓練,その他火災予防に関する教育などを実施いたしまして,資質の向上を図りますほか,資格取得といたしまして,災害現場における救護活動に必要な心肺蘇生法や止血法の技術を習得するための普通救命講習,さらには,この普通救命講習の指導者となるための応急手当普及員講習等を受講していただきまして,資格取得をすることなどにつきましても,消防団長会議を通じまして協議をしてまいりたいと考えております。また,このほかに消防法に基づきまして,班長以上の幹部につきましては,一定の年数を経過することによって自動的に甲種防火管理者の資格が付与されることになっております。今後,消防団員の資質の向上が図られますよう,諸般にわたり消防団幹部と相談をさせていただきながら,その他の資格取得につきましても一層の努力をしてまいりたいと考えております。以上でございます。
◆石田康博 委員 要望を申し上げます。消防団の活動は,質問の冒頭でも申し上げましたが,常備の消防署が充実された今でも地域の防災に果たす役割は非常に重要であると考えます。さきの阪神・淡路大震災クラスの災害が起きますと,やはり消防団の方々にも頼るところが大きいのではないでしょうか。ご答弁では,消防団をより魅力的なものとするための方策として,処遇の改善やら資格の取得など,いろいろと手を打っていただけるとのことですが,今までのやりとりをぜひとも財政当局,担当助役にもご理解をいただきまして,ご支援,ご協力を賜りますよう要望いたしまして,質問を終わります。ありがとうございました。