議会発言集
議会発言集
令和 4年 決算審査特別委員会(健康福祉分科会 第2日)−09月29日-07号
令和3年 決算審査特別委員会(文教分科会 第1日)−09月22日-04号
令和2年 決算審査特別委員会(文教分科会 第2日)−09月25日-05号
令和1年 決算審査特別委員会(総務分科会 第1日)−09月19日-02号
令和1年 決算審査特別委員会(総務分科会 第2日)−09月25日-03号
平成30年 決算審査特別委員会(健康福祉分科会 第2日)−09月28日-
平成29年 決算審査特別委員会(総務分科会 第2日)−09月21日-
平成29年 決算審査特別委員会(総務分科会 第1日)−09月19日-
平成27年 第1回定例会ー2月26日ー 自民党代表質問(前編)
平成15年 決算審査特別委員会(一般会計・特別会計)−12月12日
平成12年 決算審査特別委員会(一般会計・特別会計)−12月11日-
平成17年 予算審査特別委員会−03月8日-
石田康博 委員
健康福祉費のうち老人福祉総務費、歯科診療事業の3,409万円及び障害者福祉事業費、心身障害児者歯科治療事業4,084万9,000円に関連した歯科診療について、健康福祉局長に伺います。次に、あんしん歩行エリア整備事業費の宮前区5,970万円について建設局長に、一問一答方式で伺います。
まず初めに、歯科診療事業のうち、在宅寝たきり老人歯科診療では、一般の歯科医院で診療を受けることが困難な65歳以上の在宅高齢者の方を対象とした診療として、市内に設置されている4カ所のセンターに患者を送迎して行うセンター診療と、ポータブル歯科診療機器を持ち運び、患者宅を訪問して診療を行う訪問診療と、移送が不可能な方を対象とした巡回歯科診療車で患者を受診する3つの方法が、川崎市在宅寝たきり老人歯科診療事業実施要綱の定めにより実施されているところであります。
そこで、川崎市の65歳以上の老人は18万4,482人、高齢化率が14.14%、うち要支援・要介護の方の数は市内2万9,000人を超え、同時に在宅寝たきり老人がふえているのが現状であり、設備が整った器具を備えて出向く巡回歯科診療車の診療は、市民の利便性を高めることや口腔内の健康を守ることにつながり、これまでにも一定の成果を上げているところであります。そこで、これまでの利用実態と今後の有効活用についての考え方を伺います。一方で、訪問診療の拡充策も患者さんから強く求められておりますが、本市の考え方を伺います。
井野久明 健康福祉局長
巡回歯科診療車についての御質問でございますが、初めに、巡回歯科診療車の利用実態についてでございますが、巡回歯科診療車はレントゲンも撮れる本格的な歯科診療の設備を整えた診療車として、平成9年に導入されましたが、平成13年度延べ117人、平成14年度延べ92人、平成15年度延べ97人と、利用実績は伸び悩んでおります。
次に、巡回歯科診療車の有効活用についてでございますが、派遣先であります「在宅」の考え方を、従来の「自宅」から「生活の場」へと変更することにより、平成14年11月から介護老人福祉施設への派遣を可能とし、有効活用を図ってきたところでございます。今後につきましては、川崎市歯科保健・医療・福祉推進協議会等を通じ、実施主体であります川崎市歯科医師会と協議を行ってまいりたいと存じます。
次に、訪問診療の拡充策についてでございますが、訪問診療は平成2年の事業開始から約15年を経過しておりますが、この間、高齢化の急速な進行や介護保険制度の導入等、高齢者をめぐる社会的状況は大きく変化してきております。このため、今後、より効率的・効果的なサービス提供を行っていくためには、訪問診療のみならず、センター診療、巡回歯科診療を含めた在宅寝たきり老人歯科診療事業総体のあり方について見直していくことが必要と考えておりますので、川崎市歯科医師会と引き続き協議をしてまいりたいと存じます。以上でございます。
石田康博 委員
介護保険における制度の見直しでは、これまでに行われてきた制度全体を総括した上で、予防重視型システムへの転換を図り、介護予防サービスの拡充に重きを置いた制度の見直しが進められているところであります。本市では、介護保険制度を今後、さらに市民サービスの向上に結びつけるために、平成18年度の介護保険法の改正を目前に、新予防給付の導入に伴った介護予防モデル事業としていち早く新たなサービスメニューを取り入れるわけですが、その中に口腔ケアの項目が含まれていますが、これを受けて本市の取り組む地域支援事業に変化はあるのか、伺います。
井野久明 健康福祉局長
介護保険制度の見直しについての御質問でございますが、介護保険制度の改正に伴い、新予防給付が創設されるところでございますが、新たなサービスとして、モデル事業等を踏まえ、導入が予定されておりますのは、筋力向上、栄養改善、口腔ケア事業等となっております。そのうち、義歯や口腔内の清掃等の指導を行う口腔ケア事業につきましては、来年度、介護予防モデル事業として実施する予定となっております。また、新たに創設される地域支援事業での実施内容につきましては、これまで老人保健事業で行われていました口腔ケア教室等の健康教育的事業や、飲み込みの事故防止などを行う、嚥下リハビリ等の機能訓練的事業が例として挙げられておりますので、今後、国の動向を注視してまいりたいと存じます。以上でございます。
石田康博 委員
障害者診療では、地域の歯医者にかかるのが基本としながら、現在、2次医療機関の川崎市歯科医師会館診療所、百合丘歯科保健センター、久地歯科保健センター、中原歯科保健センターのそれぞれ4カ所の歯科センターで対応しているところであります。障害者の方からは、障害者施設での診療を求める声も聞かれているところであります。平成15年4月から始められた支援費制度が3年目を迎え、細やかなサービスの向上を図る観点から、障害者施設の検診がオプション検診としてできるかどうかの課題も議論される必要があるかと考えますが、そこで障害者診療のこれまでの本市の取り組みと方向性について、伺います。
井野久明 健康福祉局長
障害者歯科診療についての御質問でございますが、本市では、一般の歯科医院では治療が困難な心身障害者の方々の歯科治療につきましては、川崎市歯科医師会の協力を得まして、歯科保健センターにおいて、心身障害児者歯科治療事業を実施しているところでございます。障害者施設につきましては、内科や精神科の医師により、年間2回以上の健康診断が義務づけられ、利用者の健康管理に努めることとされておりますが、歯科検診につきましては、支援費制度における施設サービスの充実の一環といたしまして、施設が個別に対応しているところでございます。今後につきましては、適切な予防指導の充実に向け、歯科医師会と施設が連携を図れるよう検討を進めてまいりたいと存じます。また、歯科保健センターにおける障害者歯科診療の受診者の増加傾向が見られますので、その対応策につきましても、引き続き歯科医師会と協議を行ってまいりたいと存じます。以上でございます。
石田康博 委員
意見要望になりますが、川崎市歯科保健・医療・福祉推進協議会を通じて、毎年2回の協議が行われております。そこでは、巡回歯科診療車については、答弁の利用件数が示されたように、廃止も含めて検討課題となっているわけです。現在、寝たきり老人歯科診療事業要綱には、対象者として65歳以上の在宅寝たきり老人で、一般の歯科医院で診療を受けることが困難な者が対象とされております。老人ホームの訪問診療については、要綱には定まっていませんが、老人施設を含めて今後の高齢者診療のあり方と将来の方向性を定めておく必要があると考えます。市民サービスの再構築による老人歯科診療の柔軟な対応が求められておりますので、歯科医師と患者さんの意見を取り入れていただきながら、利便性と効率性のある柔軟な施策の展開をお願いいたします。
また、障害者診療については、川崎市心身障害児(者)歯科治療事業補助金交付要綱の定めに基づき、一般の歯科医療機関で診療を受けることが困難な障害者歯科診療や口腔保健の教育や指導を行うことによって、障害者の歯の健康を守っているところであります。しかし、要綱第3条の「予算の定める範囲内」とされた部分、第5条の「診療日」については、患者数増加の実態に即しておらず、施策がおくれているとの意見があります。調査資料によると、4歯科センターの川崎市歯科医師会障害者診療事業月別受診者数を見てみると、平成12年度の受診者数の合計は3,448人に対して、平成15年度は4,093人と受診数がふえていることがわかります。受け付け診療日数が週1日と限られ、時間は午後2時から午後5時までの3時間と短く、午前の対応を求める声が多いところであります。特に中原、川崎が混雑し、診療待ちの患者さんで常に混雑し、順番を待つ時間が長くなっており、障害者の方から改善を求められる声が出ております。したがって、障害者歯科診療患者数増加に伴う障害者歯科診療時間のさらなる延長と障害者施設を対象とした総体的な拡充策も、市として検討する必要があると考えますので、要望いたします。
次に、宮前区におけるあんしん歩行エリア内交通安全対策について、建設局長に伺います。昨日の委員会でも、本市におけるあんしん歩行エリアの交通安全対策が議論されましたが、平成16年度の実施調査をするための4,500万円に引き続き、その調査に基づいて、平成17年度予算案では1億2,420万円の実行予算となっております。そのうち、宮前区内に指定された宮前平駅を中心としたあんしん歩行エリアは、まずどのような根拠で選定されたのか、伺います。また、国の予算措置について伺います。
脇領成明 建設局長
宮前区におけるあんしん歩行エリア整備事業についての御質問でございますが、初めに指定基準についてでございますが、あんしん歩行エリアは、1から2平方キロメートルの区域内において、死傷事故の1平方キロメートル当たりの全国平均発生件数である年間35件を基準として、過去3年間の平均が20%以上上回った場所を指定しております。宮前区において指定されました宮前平駅周辺地区内には、宮前区総合庁舎、宮前文化センター、学校、公園、大型商業施設などが多く建ち並び、事故率も高いため、総合的な安全対策を行うものでございます。
次に、国からの支援についてでございますが、エリア内の安全対策につきましては、国からは、重点対策事業として、補助金の優先的な支援が受けられる予定でございます。以上でございます。
石田康博 委員
区民意見の集約として、平成16年7月下旬に区民アンケートを実施し、その後区民説明会も行ったと聞いております。宮前区でのアンケートの実施内容と、どのような区民意見が寄せられたのか、エリア指定と事業にどのように反映されたのか、伺います。
脇領成明 建設局長
宮前区におけるあんしん歩行エリア整備事業についての御質問でございますが、宮前平駅周辺地区につきましては、エリア内の道路や交差点などの事故が多発している箇所の検討及び住民の皆様の御意見を取り入れるため、エリア内の町内会及び学校関係や商店街などの方々に御協力をいただき、アンケート調査を実施いたしました。その中で、アンケート用紙を約1万2,000部配布をし、140部の回答をいただきまして、住民が日常生活の中で危険と感じた体験などについて、実態を把握したところでございます。今後、地域の皆様のアンケート意見及び交通管理者からの資料を集約しまして、アンケート意見が多い箇所、また、交通事故が多発している箇所を優先的に、具体的な安全対策である歩道設置や交差点等のコンパクト化などの手法を整備計画に反映させてまいります。以上でございます。
石田康博 委員
宮前区では、ここ数年交通事故が多発しております。平成14年では1,289件、平成15年では1,313件、平成16年では1,136件起きております。平成16年11月施行の道交法一部改正により罰則が強化されたこともあり、昨年は若干減少したものの、残念ながら重大事故による死亡者が前年に比べて6人も増加しております。ソフト面のみならず、ハード面での対応が求められているところであります。
そこで、交通事故防止と歩行者の安全を確保すべく、宮前平駅周辺地区の歩道の整備等を図るための予算として、5,970万円の予算措置ですが、具体的にどのような整備を予定しているのか、伺います。また、新たな整備計画の策定が予定されておりますが、そのスケジュールと内容を伺います。
脇領成明 建設局長
宮前区におけるあんしん歩行エリア整備事業についての御質問でございますが、初めに、平成17年度の整備予定でございますが、市道梶ヶ谷菅生線を区役所、市民館及び小学校などの公共施設や住宅への駅周辺の主要アクセス路線と位置づけ、歩行者及び自転車利用者の安全を確保する歩道の改築などの安全対策を実施する予定でございます。
次に、整備計画のスケジュールと内容でございますが、あんしん歩行エリアの報告会において、御説明させていただきましたヒヤリ・ハット図の重点的な対策箇所及び路線を優先的に、交通管理者、区役所とも連携を図りながら、14カ所の抽出箇所を中心に、現在、詳細な整備計画を策定しているところでございます。また、その内容でございますが、アンケート意見によるヒヤリ・ハット箇所及び交通管理者からの資料で、交通事故が多発している箇所を最優先箇所とするなど、事業の優先度を決定した上で、年度ごとに実施箇所や具体的な安全対策等の計画を策定し、優先度の高い箇所から順次着手してまいりたいと考えております。以上でございます。
石田康博 委員
意見要望になりますが、交通事故総合分析センターの資料によると、生活道路では幹線道路の2倍以上も事故が発生していることや、死亡事故の約6割が家から出た半径500メートル以内で発生していることが過去のデータで指摘され、生活道路における安全対策が課題とされております。宮前区では、生活道路の特徴として、丘陵地帯に街並みが形成されていることから坂道が多く、坂道を上がってくる車は横断歩道が見えにくいために、歩行者と車の接近によるヒヤリ経験をしたという区民意見が寄せられています。また、老人いこいの家の前の通りでは、路上駐車が多いため、横断歩道を渡ろうとすると歩行者が危険を感じるなど、見通しが悪いところが点在しております。宮前区のヒヤリアンケートの結果では、ヒヤリの指摘総数が457ヒヤリ、箇所数で言えば160カ所で、そのうち21 ヒヤリが2カ所、15から20ヒヤリが1カ所、10から14ヒヤリが2カ所と、それぞれこのような結果が示されておりました。今後は数字のみならず、ヒヤリの多かった具体的な場所も含めて、区民に広く知ってもらうだけでも、事故抑止につながると考えます。例えば、市政だより、宮前区版の広報紙等の活用を含めたヒヤリ・ハット図の掲載も検討をお願いいたします。
市民意見に、よくある危険箇所として、宮崎台駅に近い旧246号線の両サイドの歩道は狭く、交通量が多い道路に面しているにもかかわらず、自転車やベビーカーなどは車道にはみ出さないとすれ違えないほどです。歩道の拡幅を含めた安全対策を求める声が多いところであります。
また、尻手黒川道路と矢上川の間に並行する馬絹49号線、宮前平36・39・40・49号線では、尻手黒川道路の渋滞に伴う抜け道になり、安全な歩道改良を求める声が多く寄せられております。接した矢上川を利用した新たな空間を確保するなどの工夫を加えた歩道の拡幅が必要であります。このような改善を求める地域の声を今後もさらに取り入れていただきまして、クランクゾーン内の速度規制、ハンプ、カラーゾーン等の手法も積極的に取り入れるなどの対策を要望いたします。終わります。